HERO 第4巻
全11話連続で30%以上の視聴率を記録した、大ヒット作品である。木村拓哉扮するジーンズ姿で通販マニア、中卒の型破りな検事が、周囲の反感を買いながらも次々と厄介な事件を解決。そんな彼を見た同僚の仕事に向かう姿勢さえも変化させる、現代的な正義漢のドラマシリーズだ。
事務官である雨宮(松たか子)、末次(小日向文世)、遠藤(八嶋智人)が、検事の下働きばかりの仕事に不満を感じる第7話。久利生が昔の知りあいの弁護士(飯島直子)と法廷で対決する第8話。主題歌を担当する宇多田ヒカルも、第8話のワンシーンに一瞬だが友情出演している。(田中 元)
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セリフにない演技者の心の動きに感動するドラマ |
他の検事がするように容疑者を尋問して起訴事実を吟味するのが普通のやり方だが、桐生(木村)はお出かけ好きと遠藤(八嶋)から言われるように、一つの事件の真相を求めて捜査に出かけてしまう。同僚が不平を口にしながら桐生の仕事をフォローするのは、口には出さないが桐生のやり方を認めているから。そんな信頼の気持ちにうれしくなる。ドラマHEROが視聴率30%を超え、多くの人の共感を得たのは、セリフにない心の動きの描き方が見事で、見る者の心に訴えかけ感動させるからだろう。
強きをくじき、弱きを助ける勧善懲悪の典型のようなドラマだが、弱者の気持ちを大切に描く。普通の人の感覚で真実を追究する桐生の姿は検事制度に一石を投じる。そして桐生に触発されて関係者の気持ちに「普通の」正義感がよみがえる。法廷で事実を明らかにすることは、時に弱者の弱みをさらすことにもなる。女性の弱さを包み込むような桐生の気持ちが男前。ウルトラマンのカラータイマーのような弱点を抱えつつ、被告側の卑怯な攻撃をすり抜け、やりこめる姿がカッコイイ(7話)。
8話は立証が難しいと言われる医療過誤訴訟で巽弁護士(飯島直子)と争う。両雄並び立たずというか、飯島をあまり不様に描くことはできないので演出に苦労している気がする、が見所満載。衣装が素晴らしく飯島のいかにもやり手女性弁護士というクールビューティ。宇多田のコスプレ(?)が見られるし、准看護婦の真山淳子(木内晶子)が重要な役を演じて、苦悩する姿を見るがプリティーな印象が残る。この時点で舞子(松)の気持ちが桐生に傾いていることがかなりはっきりしてきており、ベンチで居眠りする舞子が桐生に起こされ、「はい...」と答える演技が、普段強気な彼女の素の部分を見たようで微笑ましくカワイイ。

